1 災害の特徴から考えよう 2 地震 知る 首都直下で発生が予想される地震 活断層の地震 【図1】は、M7以上の地震を起こす可能性のある関東地方の主な活断層です。過去に繰り返し地震を起こし、将来も地震を起こすことが予想される断層を活断層と呼びます。東京都内では立川断層帯があり、調査が進められています。平成7(1995)年1月17日に発生したM(マグニチュード)7.3の兵庫県南部地震は、淡路島北淡町の長さ9kmの野島断層をはじめ、淡路島から神戸にかけての地下に伏在する活断層が動いて発生したものと考えられています。日本には、このように大地震が発生した、あるいは発生する危険性のある活断層がたくさん見付かっています。国の地震調査研究推進本部ホームページには、全国の主要活断層帯と、それらの長期的な地震発生確率の調査結果等が示されています。 【図1】M7以上の地震を起こす可能性のある活断層 南海トラフの地震 国の地震調査研究推進本部では、東日本大震災をきっかけに、これまで、東海・東南海・南海の各領域において連動して発生する大地震に主眼を置いていましたが、もっと広い領域に広げて評価することにしました。過去の例を引き、様々な地震の発生方法を考慮した試案が示されています。この南海トラフ全体を一つの領域とする地震の発生確率は、30年以内で70~80% 程度、今後50年以内で90%程度もしくは それ以上とされています。これを受けて東京都では、この地震による津波の島しょにおける被害について、最大で7~30mの津波高を想定しています。 ※南海トラフ地震に関する情報は、令和4年2月時点 首都直下で起こる地震 東京都は、東日本大震災を踏まえ、「首都直下地震等による東京の被害想定」の見直しを行い、平成24(2012)年4月に公表しました。平成18(2006)年公表の被害想定では、首都直下地震として「東京湾北部地震」と「多摩直下地震」を取り上げていましたが、海溝型地震として「元禄型関東地震」、活断層で発生する地震として「立川断層帯地震」の被害想定も追加されています。 ●被害想定(冬の夕方18時、風速8m/秒を仮定) 想定される地震の震源モデルは、フィリピン海プレート上面の深度についての最新の知見を反映させ、従来のものより約10km浅い見積りとなったことから、震源が浅くなり、震度分布も最大震度7の地域が現れるものとなっています。さらに、帰宅困難者の出現やエレベーター内の閉じ込めといった都市型災害の状況、区部の低地を中心とした液状化危険度の分布図も示されています。
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