2 備えよう 5 避難所運営シミュレーション 避難所運営シミュレーション 情報班 事例カード グループで事例カードを読んでセリフの改善をしましょう。 ワークシートに書いてまとめましょう ワークシートの3に考えを書きましょう。 〈体験談1〉 恐れていた、夫との再会 DV(恋人や配偶者への暴力)により別居中だった夫と、避難所に張り出された名簿がきっかけとなり、避難所で再会することとなった。再会後、DVは深刻化しました。 〈体験談2〉 心配だった、自宅の空き巣被害 避難者名簿に名前や住所を書き、貼り出すことは、「この家の者は避難所にいますので、自宅にはだれもいません。」と言っていることにもなる。震災後には、空き巣の被害が多く発生し、不安でした。 〈体験談3〉 実際に公開されていた避難者名簿とは 避難者情報の公開と個人情報の保護には課題があると思いますが、ある県の例を挙げると以下の通りです。◎ある県のweb上に公開された避難者の名簿 ①番号 ②住所 ③避難所所在地 ④氏名 ⑤年齢 ⑥性別 ⑦出身市町村名 ⑧退去日◎別の県のweb上に公開された避難者の名簿 ①日付 ②市町村名 ③避難所名 ④氏名 ⑤年齢 ⑥性別 ⑦出身市町村名〈体験談7〉手書きで読みにくかった、避難者名簿 この地域では4か所の避難所に800人が避難し、この避難所には200人を超える方が避難していました。長いテーブルの上にA4判コピー用紙が数枚置いてあり、それぞれに住所、氏名、フリガナ、年齢、電話番号などが書かれています。しかし、表や仕切り線がないため、乱雑に書かれていました。 〈体験談4〉 家族の再会に一役買った、避難者名簿 避難者の名簿作りを始めたのは、地震発生から2日後でした。「うちの娘来てない?」「おじいちゃんいないかしら?」と次々に家族を探す人が現れたのを見て、「これはいけない」と名簿作りを始めたのでした。この名簿によってたくさんの人たちの所在が分かり、家族の再会に結び付いたこともありました。 〈体験談5〉 違法な債権回収者への対応に苦労 違法な債権回収者への対応について避難所が苦労したこともありました。避難者名簿の公開について議論され、一部の自治体ではホームページ上に避難者名簿を載せる方向で進んでいたところもありましたが、取りやめたところもあると後日伺いました。 〈体験談6〉 安否を知りたい、知らせたい! 避難所の中では、避難者名簿とともにメッセージを書き込んだ伝言板が貼られていました。例えば、「○○を探しています、情報をください。」などである。家族に無事を知らせたり、行方不明者の情報に喜んだりする方がいる中で、家族の名前を見付けられずに、涙を流して避難所を去っていく方もいました。 〈体験談8〉 名簿にあった、叔母の名前 「名簿に親類の名前を見付けた時は、大きな声を出して喜んだ。」足の不自由な親類は、杖を使いながら津波から逃れようとしました。腰まで水がつかり死を覚悟したとき、知人が高い場所に引き上げてくれて助かりました。親類は、「一人きりで不安だった。親類に会えて本当に良かった。」と再会を喜びました。
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